「採りたてシェアマイファーム byアスパラ王子」

 パートさん達無しで、1人で作業は全く前に進みません。5人と1人とでは進まないのは当たり前なのですが、集中して作業が出来ません。飽きるので5つ位やる事を決めて少しずつローテーションして、いちいち休憩を入れる・・・。一人作業は向かない様です。

 

 堆肥を入れて来年アスパラを植える場所に、今年はパートさん達が家庭菜園を始めました。永遠と採れるピーマンや、あっという間に枯れてしまったスナックエンドウ。雨が好きな作物も苦手な作物も有り、気候も毎年違うので良い時も悪い時もあります。大量消費のレシピを考えたり、保存方法を考えるのもまた楽しみです。そして、1年間畑の様子を伺い、先日斎藤幸平さんの資本論を読んで、私の心は洗い流されました。高付価値で利益を増す為に、無駄なカーボンを駆使して知恵をふり絞るのが農業であります。

 

 来年は試験的に新たな試みを始めます。

 題して「採りたてシェアマイファーム byアスパラ王子」

 農家の特権である自宅まわりでの野菜栽培。採りたて夏野菜が毎朝食卓に溢れ。軒先に玉ねぎやニンニク干したり。かぼちゃやさつまいもは軒下で寝かして。そんな特権を年会費制でシェアします。

 農地、水利、機械、定植管理作業は任せてもらい、各家庭で収穫して貰います。生育や保存、レシピなんかをFacebookのグループページで皆さんでシェアして、採りごろの連絡やお客さん同士の繋がりも出来ます。もちろん育てたい野菜があれば、フリーのスペースも設けます。家庭の生ごみの処理も畑でシャア出来ます。

 ポイントは簡単。形や大きさ収穫時期などの価値の向上を考えずに、虫や病気と闘わない時期と作物選定をするだけ。出来れば管理は雑草だけの最低限にとどめる。もちろん管理費は頂くのですが、スケール出来るビジネスでは無く小さな地域の皆さんへの還元です。掛かった経費を皆さんで割りますと、想像をはるかに超える野菜が安価に採れ、何より楽しい美味しい。

 

 農業を始める前から、アメリカが発祥の地域支援型農業(CSA)を知って本を幾つか読み、食料分配として日本で普及しないその複雑さ難しさが頭に有りました。一般的な街の市民農園は農地の賃貸業で、貸す方はつまらないし、農業体験は素晴らしいが効率があまりにも悪い。

 

 三方よし。地域の皆さんとの関係性が大きなメリットをもたらすに違いありません。もちろんこれからもアスパラ農家として利益を追求して行きます。